ロジスティクス・アドバイザー

商流を構成する企業と、さまざまな形態の輸送を提供する物流企業は、本質的にはパートナーの関係です。サプライチェーンの構築における物流センターの運営など、物流は商流側の一部機能を担うことを求められ、その境界線は曖昧になっています。今や商流と物流は、渾然一体となりつつあります。

しかし、商流と物流は近い関係性でも世界観が違いすぎて、お互いにコミュニケーションが取れないのです。しかも、物流コストという「交渉材料」が存在します。こうした「利益相反」するような関係性の不都合を解決するために、商流と物流を正しくブリッジし、双方の利害をポジティブなパートナー関係に昇華させる存在が必要だと痛感しています。

沖縄県は小規模な企業も多く独自解決が難しい環境だからこそ、物流の企画や設計、運営だけでなく、商品企画や開発、販売促進、さらには人材育成や管理部門のサポートなどもロジスティクス・アドバイザーの役割のひとつとも言えます。

沖縄経済物流研究所では、これまでの経験や知識、ネットワークを生かして、ビジネスのデザインやプロデュースができるような役割を果たします。

産業の活性化に向けた活動(域外競争力の強化)

企業だけでなく、行政や公共団体に関する支援や実証の事業をお手伝いします。

沖縄の多くの小規模な企業は、新事業のための資金的余裕、知見や人的リソースは潤沢とは言えないかもしれません。だからこそ産業の活性化に向けた活動や事業を通じて、経済的自立や産業の底上げに結びつくように、域外競争力の強化となる確たる手応えや成果ともに自走できる持続性が求められます。

事業全体のデザイン力とプロデュース力に加えて、その実現可能性を事前に調査・検討するフィジビリティスタディがとても重要だと考えています。大きな投資や市場に影響を与える可能性のあるプロジェクトには、フィジビリティスタディは必須とも言えます。これらのノウハウは、産業育成など事業運営の成果を高める要素(リソース)となり、新たな基盤(プラットフォーム)にもなると考えています。

ビジネスのデザイン(企画)、プロデュース

商品やサービスの機能、スペックによってもたらされる価値(機能的価値)だけでは、本土企業に価格競争で負けるかもしれません。

沖縄は「多数」よりも「多様」が文化的にも歴史的にも文脈的には理解しやすいのではないでしょうか。さらに、独自の歴史により形造られた文化によってもたらされる「意味のある」付加価値は、他者には真似できません。それは、商品やサービスを利用することによって生まれるポジティブな感情的な価値とも言えます。

製造や販売を専らとする中でも、創造性の発揮や時代に合った世界観を生み出すこと、 財務やマーケティングのことを考えることも大切です。時には、バイヤーのリテラシー(沖縄の産業の実態への理解)への啓蒙が必要になるかもしれません。

沖縄経済物流研究所では、新たなビジネスのデザイン(企画)をお手伝いし、プロデュースします。

港湾関連のコンサルティング

沖縄では港湾を軸にした物流の発展が、経済や産業の発展に繋がる可能性を秘めています。ゆえに、港湾開発や利用方法が沖縄経済の盛衰にも大きな影響をもたらすと考えています。俯瞰的な視点で沖縄の経済発展、産業の活性化を論じるうえでは、港湾をゲートウェイとしたロジスティクスの充実は喫緊の課題でもあり重要なポイントになります。

しかし、複数の中核港湾のインフラ整備、設備投資や雇用の確保など、一企業だけで解決できる問題だけでもありません。ゆえに、短期ではなく長期的な目線で港湾物流の果たす役割と経済や産業への影響を考えたグランドデザインを描く必要があります。

商流や物流全般のアドバイス、コンサルティング

競争力のある製品開発を目指すこと、沖縄の多くの小規模な企業によるモノづくりの文化的なステータスを引き上げること、地方のスモールビジネスでも社会的な評価を受けながら金銭的にも恵まれる状況を創り出すことが重要です。

世界的に見れば沖縄は小さなマーケットです。一方で、世界有数のハブ港である香港、高雄、上海、釜山、シンガポールに近いのが沖縄の港湾です。世界が近い、これは地理的にも沖縄の大きな魅力です。視点を変えることで、商流に対して物流が担う役割も変化するでしょう。このような俯瞰的な議論や啓蒙活動も取り入れたいと考えています。